第三十四回 94話 「分枝の時①」
では今回は最新話 「分枝の時」を考察していきましょう 因みに前日に最新話考察以外の考察を久しぶりにあげております「姉妹の実父」について考察しておりますので良かったら是非・・
まずはタイトルから・・
「分枝」(ぶんし) 植物が軸から枝を分かつこと また、そのような形のもので、類語は枝分かれ・・
最初は「分岐(ぶんき)の時」だと思ってました、似たような意味ですが・・
「分岐」(ぶんき) 行く先が別々に分かれること。ふたまたになること
よく使われるのが「分岐点」とかですよね、物事がどうなるかの分かれ目的な意味で
それに対して分枝は・・つまり・・
①って事は続くのですよね・・五姉妹から「一花」が分かれていく話「だけ」が続くのか、この「木」の様にいずれ五姉妹全員が・・・の暗喩なのか・・
それとも今回の「一花」の件に対するそれぞれのアプローチ、考え方が一花以外の四姉妹+風太郎の五つの「想い」があった事を示しているのか・・ 個別に取り上げてみましょう
まずは冒頭のシーン
前回の二乃とまるおの会話からもわかるように「一花とまるお」は引っ越しの件や学校を辞める事、そしておそらく一花が見出した目指すべき「夢」など色々話しているのでしょう
そして風太郎から「俺はあいつらの夢を見つけてやりたい」と啖呵を切られているまるお・・・しかしこの会話からは自分(まるお)が風太郎に課した「娘達を高校卒業へ導く」から「離脱」する事を「ペナルティ」としていないように感じます、まるおはこれも良しとしているのでしょうか・・・
~ 二乃の場合 ~
ひじょーーに素直に反対してくれています 言っている事も支離滅裂ではなく「正論」です
発言したのは「一番目」です
一花の「夢」に反対している訳では勿論なく、何故あと半年、卒業まで待てなかったのか、何故相談してくれなかったのか・・ 姉妹の「絆」を大事にする二乃らしい反応です・・・ 最近よく涙をみせますね・・
~ 四葉の場合 ~
四葉の場合は一花の意思(選択)の確認の後、二乃、五月の意見を聞いた後に「尊敬と寂しさを匂わせた後に同調からの応援」 発言は一応「二番目」
一花を探して学校に行こうとする風太郎と一緒に行こうとしますが、自分を抑え、風太郎に「風太郎の判断に任せます」 それが「一花を引き留め、もう一度一緒に揃って卒業を目指すのか、一花の夢を後押しするのか」の確認はせずに・・・
そして諸説色々でている「風太郎は意識的、無意識は判らないが四葉を見ないようにしているのではないか説」ですが、私はそこまで注視していません、四葉の霰もない姿に気づくのが遅かったのも風太郎らしいといえば風太郎らしいですし、それだけ焦っていたという表現を描きたかったのと「四葉の日焼け」を強調する為にあの姿を、場面を描かれたのではないかな?と思います、連載が進んでも敢えて風太郎と四葉の日焼けの描写を消さない(漫画では稀に良くありm)それどころか強調しているようにも・
~ 五月の場合 ~
五月の場合も「別の見解の正論」です 発言したのは「三番目」二乃の意見を聞き、四葉の問いに答えた一花に反発の態度を見せた二乃に対して発言しています
二乃の言う通り「五月自身の言葉」かどうかは微妙ですね、まぁぶっちゃけちゃうと優等生の模範解答って言うより「母目線」からの「娘の決断を受け入れ、祝福している感」が出ているように感じます・・・そしてその行動を「五月が無理して、自分の本心を偽っているように感じない」事が余計に・・ 「七つのさよなら」の時も二乃と似たような場面がありましたね
~ 三玖の場合 ~
三玖は特殊です敢えてその場での発言はしませんでした 「発言なし」
その原因に「自分」が関わっているのではと思ったから、発言から「京都修学旅行」での一件の事だと思います、そして自分では一花は引き留められないと(引き留めたいと思っている?)そしてそれが出来るのは風太郎だけだと思っているようです
~ 風太郎の場合 ~
直接一花から聞かされた訳では無い風太郎、やはり彼も一花も含め「五人揃っての卒業」を望んでいるようです、その理由が「一人分マイナスになる給料」の為なのか、まるおから攻められた訳ではないようだが、自分が掲げた「五人揃って笑顔で卒業」の貫徹の為なのか・・ もしくはクラスメイトと海水浴の時に感じた「自分+五姉妹」の図式が欠けた時の寂しさ、物足りなさを味わいたくなかったのか・・いずれにせよ「二乃・三玖・四葉・五月の意思」は確認せずに行動していることから「風太郎自身の為」に行動したようです
風太郎が照れ隠しで言った「ビジネス」の答えに満足がいかなかったからの「NO」ではないと思います、風太郎が自分の為に先生に条件を聞いたり、息を切らして自分を探し奔走してくれた事、風太郎が出した「最善の方法」も結局は「風太郎自身の負担」が伴うもの・・皮肉っぽく風太郎の使った「ビジネスには乗れない」とは返したものの、その話を聴く一花の笑顔は「演技」ではなかったと私は思います
「風太郎くんらしいなぁ、今でも優しくしてくれるんだな・・」と、とても嬉しそうに微笑んでいるように感じます
その後の三玖との会話で出た「このままじゃ金がたりねぇ」は少し意外なワードでした、照れ隠しの延長のような感じもしませんし、実際問題「上杉家」には多額の借金がありますし、その具体的な額や返済期間等も不明ですが・・
それを聞いた三玖の紹介しようとする「バイト募集中のお店」は・・まぁ「こむぎや」しかないでしょうね、三玖の表情からも・・
色々とありそうですね修学旅行中に語った「風太郎の母が焼いてくれたパン」や、この時期だと「三玖+風太郎+仕事=三玖の目標、夢」と大きく関わってきそうな感じがします、ひょっとしたら三玖の将来の具体的な夢、職業は・・ 「自分で焼いたパンを提供するお店」なんて可能性も見えてきました
そして渦中の人「一花」はといえば・・
姉妹に説明する際は「できるだけ家から通うつもり」「学校は諦める」「お仕事に専念したいから」と一貫した態度を示します
学校(先生)に対してももう手続き的なモノ(退学届?)は提出したようです、生徒を想っての「高校は卒業しておいた方が良い、考え直してみないか?」の問いにも「NO」を示します
先生も変に納得してはいますが、一花自身の「成績」は格段にあがっているはずなんですが・・・
その後、もう来ることはないと決めた校内を歩く一花、出会った学友らしき女性のセリフではありますが「悔いなく終わらせたい」は一花の表情も相まって一花の「想い」にも感じれる描写です
その後の三玖との会話からも色々と一花の気持ちが感じ取れます
「もうこれで戻れない」「私にはこの道しかない 覚悟が決まった気がする」
具体的な行動を起こしたことで「逃げ道」を無くし「自分の意思を貫くことしかできない」状況に自分を置いた、追い込めたように感じます
その後の三玖との会話からも、三玖が指摘した「本当の理由は今一花が挙げたものではなく、私(三玖)といることがまだ辛いのではないか?」の問いに一瞬詰まるものの、否定「それも要因の一つ」だから詰まったのではないと思います
左手で表情を隠しながらも「三玖には」本心を隠さず、この時は話したように感じます
つまり裏を返せば一花の本心は「また元のように戻りたい」「風太郎と一緒にいたい」
「一緒に卒業したい」「自分を許してもらえるのではないかと思ってしまう」そして今の一花は
「そう思ってしまう、願ってしまう自分が許せない」
のだと思います、その為の「分枝」であり、その後の風太郎の案も受け入れなかったのだと思います、風太郎に説得される前から決めていたからこその「これでいいよね」だと思います
・・・これはもう来週はどうなるのか・・ 勿論一花は「風太郎が今現在もあの時の少女が五姉妹の誰なのか」 を気が付いて無いと思っています(少なくとも一花はそう思っているはず)そして「その少女が四葉であること」も知っています・・
そしてあの「二人が写った写真」も一花が持っています・・・
更に「四葉が自分から風太郎にあの時の姉妹は私だったと打ち明ける気がない」事にも「本当は今でも風太郎が好きであること」も気が付いているのではないでしょうか・・
それを知っている「今の一花」はどういった行動をとるのでしょうか・・この件に関しては考察を止め、次週を待ちたいと思います!
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