第四十一回 101話 「最後の祭りが一花の場合 ①」
それでは第101回を考察していきましょう・・・
まず考察している者からして・・予想がズバリと当たると嬉しいものです・・
何が当たったかは・・後半で・・ まずは冒頭のシーン
学園祭三日目の終了したタイミング・・・「学園祭・後夜祭の終了アナウンス」が流れている・聞こえる場所??? 窓に映る「照明」が一般家庭のソレではなく「教室や施設・・・まぁスタジオもありかな?」
漫画的描写の妙といいますか・・ 巧いというかチョットズルイまでありますね・・
極々素直に解釈すれば「一花が校内アナウンスの聞こえる学際最終日の教室にいる」
つまり呼び出された姉妹、風太郎が選んだ姉妹は一花!? と思わせられるシーンです しかし「漫画描写の妙」と表現しましたが、敢えての説明不足といいますか・・
「この一花が居る場所にアナウンスが実際流れている」とは書かれていないんですよね、
「一花が物憂げにスタジオの外を観ている、一方その頃、風太郎達がいる旭高校の学園祭は終了を迎えていた」
を表現するための描写にする事も出来るんですよね、次のページが、別の三日目の学園祭終了の場面に移っていくならその為の描写なんですが・・ 一花の過去の場面になってしまったので・・ 案外まんま「一花がアナウンスの聞こえる教室にいる(風太郎に呼び出されたかは別として)」かもしれませんが・・
そして一花の回想は風太郎からの招集メールを受けた場面
最近の風太郎への接し方の落ち着いた感じからは読み取りにくかったですが、やはり一花はまだ・・・
そして前回現れた「ドッペル二乃」はやはり「変装した一花」でした、良い作戦でしたが 、誤算は二乃もちょっとした有名人になってしまっていたこと
偶然居合わせた風太郎でした「ん?二乃に変装した一花を見破った??」と、思われた人が多いと思いますが・・ 確かに「服装」から二乃ではない!と思ったのかもしれません、もしくは「一花を見破れるようになった」のかもしれません(愛を持ってかは別として)
しかしもう一つの可能性があります、それは
「俄かに人気者になり、追い回されている二乃を助けたら、中身は一花だった」
可能性です
助けた後「鬘を取った後の一花」を見てからです、偶然にも「二乃」にも生徒から追いかけられる要素があった為 「風太郎は二乃と思って助けた、でも助けてみたら鬘を被った一花だった」のかもしれません
特に二乃と間違った、と言う理由もなく、ついでに言えば仕事で来れないと返信していた一花がそこに居た、その方が風太郎の興味?を引き「なんだ やっぱり来たのか」と話を切り出していったのかもしれません 何故そこまで捻くれた考え方をするのかというと「偶然が用意」されていたからです
特に伏線もなく急に二乃が学内で有名人的なポジションになり(学内ユニット)四人分の選択肢があるなか、たまたま一花が二乃の変装セットを用意していた・・ これを偶然とするならタイミング的に「罠」と感じてしまっても仕方ありません
「罠」の中身は読者に「風太郎は一花の変装を見破れるようになっている」と印象付けさせること・・・ もしくは逆に「本当にこの時点で風太郎は一花を好きになっており、愛を持って変装を見破れるようになっている」しかし「罠」を仕掛けておくことによって、私の様に勘繰った輩が「それを否定する可能性を示唆してくる」事を前提として「一花ENDの伏線」を張っているのかもしれません、裏の読みあいになってきてますね・・
自分「だけ」が呼び出された訳じゃない事にがっかりするやら恥ずかしいやらの一花さん・・ しかしその会話から・・
当初の風太郎は「特にこれといった理由もなく五姉妹を集めた??」
そのセリフを言う風太郎の表情からは「嘘」は感じられないようにみえます、後それならば「仕事で多忙だと思われる一花にメールを送るつもりがなかった(つい五人に一斉メールをしてしまった)」のにも納得がいきます
しかしその後の一花との会話で思うところがあり考え直し、改めて一花を含め五姉妹に自分の気持ちを伝えると決めたのかもしれません
会話のポイントや起こった事は?
・ 一花から「告白の返事がまだ」と念押しされる
・ 迷子を助ける 一花の長女らしいところを再確認する
・ 一花がドラマで「キスシーン」に挑んでいた事が発覚し ショックを受ける
< ポイントをまとめましょう >
・ 風太郎の観ていないドラマでのキスシーンはどんなキスシーンだったか(キスした相手や性別・部位など)に言及していない 相手が子供だったり、同性だったり、オデコになどダメージが無い(ファンに笑)場面だったかもしれません
・ 一花が言った「フータロー君だって経験済みだもんね」がどの「キス」の事か一花は言及していない 風太郎は「鐘キス」だと思って答えてしまった
・ 一花が言ったキスは「一花が修学旅行の時にした頬へのキス」の事かもしれない、それならば一花が知っている・・て言うか当時者である 自身がしたキスの事を思い出させ、照れさせようとしたのかもしれない
・ 風太郎は鐘キスの事は改めて「事故」だと考えているらしぃ
・ 風太郎の自爆自白を聞いて一花は風太郎が思い描いたキスが自分との「頬キス」ではないと判断(あのキスで事故の表現はオカシイので)追撃する「自分以外の誰と、どの姉妹とキスしたのか」を問い詰める
・ 風太郎は当初から「鐘キス」の事を言及されてると思っているので「何故一花がその事を知っているのか」「知っているという事は・・相手は一花だったのか?」等混乱したに違いない
・ さらに「鐘キス」だと思っている風太郎は自ら「あの時は全員が五月の変装をしてたし」と、そのキスをしたのが「虎岩温泉に行った時の事」と決定的なワードを一花に伝えてしまう
良く読めばほとんどが「風太郎の勘違いと自爆からの自白」のような気がするのですが「どちらとも取れる会話」から、さも「一花が鐘キスの事を知っている?」と読者に思わせてしまう事ができます
これも「偶然」が用意されている気がします唯一「風太郎とキス(頬)」をしているのが一花だけなので「この一連の会話ができるのは風太郎と一花だけ」なのですから・・
一花の言及は続きます 「ふーん」「で? 誰だと思うの?」は表情も相まって解釈が非常に難しいです 鐘キスが一花なのであれば、相手が自分であると知っているうえでの言及、風太郎が「事故」だったと解釈したとはいえ、そのキスの事を、相手(一花)に思った事を探ろうとしたのかもしれません
しかしその後、子供が言った「そういうの良くない」に乗っかって「風太郎を軽く攻める側」に回ったという事は「自分以外の姉妹と、どうやら事故とはいえキスをした風太郎をいじめてやろう」と考えたように感じます・・・ なので私は「鐘キスは一花ではない」のではないかな?と思います
しかし乗っかった子供の話は「姉妹で同じ人を好きになるお話」一花は気まずさを感じ話の続きを制しようとします、因みにこのドラマは一花が出演したドラマではありません
その後の子供と母親の再会の場面は割愛しますが・・別れ際の風太郎のセリフ
「嫌ならこなくていいなんて嘘だ ちゃんとお前にも来て欲しい」
この時点で風太郎の「心変わり」「決心」が決まったのだと思います、つまり先程も書きましたが、この流れの中で「風太郎が今日、五姉妹全員に自分の本心を伝えよう(全員が好きだ)」と思い直したのでしょう、だとしたらポイントになったと思われるワードや場面は
①「イエスでもノーでも 先延ばしにすればするほど酷だよ」
と、子供が話したドラマの結末・・・・
②「片方と結ばれて片方とはそれっきり」
だと思われます、①はそのまんまの意味ですね、何気に風太郎が気になって聞いたドラマの結末(ドラマの内容的にも)の②も重要です風太郎が望む現状「このまま六人で仲良く」は「五姉妹の中から誰か一人を選ぶと壊れてしまうかもしれない」と、作り話、ドラマの話とはいえ思わされてしまってもおかしくありませんので
そして印象的なのはこの場面
「改めて」一花がこのような心境になったのは何故か・・「キス」の話を受けてなのか、別れ際の風太郎の言葉「ちゃんとお前にも来て欲しい」から風太郎の「覚悟」や「決心」が垣間見え、今日、15時に五姉妹が揃った時に、風太郎からの「答え」が聞けるのではないかと期待してしまったのか・・・
因みに一花の「期待」は一概に「自分が選ばれるかも」の期待だけとは言いきれません、一花はこの場面でも思っていますが
一花は「風太郎の出した答え」が知りたいのです、自分が前に進むために、自分の気持ちに区切りをつけるために・・・ つまり別れ際の「期待」は
「風太郎から今日答えが聞けるのではないか?ひょっとしたらその答えが自分を選んでくれるものなのではないか」
だと思われます しかし・・・その答えは・・・前々回私が予想した通り・・・
この予想に至った経緯は前々回に考察しております
しかし・・今回は自分的に「罠回」と思っております・・各所に「伏線」と「用意された偶然」が散りばめられていると感じました、そして次回・・一花の場合②と続くのか他の姉妹の①が来るのか・・ 正直巻末の「引きコメント」は若干信用にかけますので(一花の学園祭は二日目に続くの部分)素直に②が描かれるかどうか・・
* 巻末のコメントは作品の担当者以外が(編集部の誰か)書く事もあるので、信憑性にかけると聞いたことがあります、嘘(意図的ではないと思いますが)や真実ではない事が書かれる場合もあります、本作でもありました(六年前の少女と風太郎は「互いにその出会いを忘れている」的な事が書かれていたことがありました、そのせいで考察に弊害がでた事がありました、なにせ四葉はずっと忘れていなかったので)
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