第五十三回 「 最後の祭りが五月の場合 ③ 」 無堂の呪いの正体
それでは111話を考察していきましょう
初の 「 ~の場合③ 」突入! 五月が「特別」なのか内容が特殊だったからなのか・・単に尺が足らなかったからなのか・・ 兎にも角にも「五月解決編」です
きっかけは風太郎からもらったものの「この問題は私達家族で片をつけます」と風太郎を強い意志で先んじて制す五月・・
シーンは変わり無堂と相対する五月、無堂は言います「五月の力になりたい その手助けをしたい」 と・・無堂曰く
① 「君は今もお母さんの幻影に取り憑かれている」
② 「学校の先生でなければなんでもいい」
③ 「お母さんと同じ間違った道を歩んでほしくない」
・・・まぁ①は自他ともに認める点ではありますが・・ なぜ無堂は②に強く拘るのでしょうか?
判定で出たように「単に志望するにあたって学力が足らない」「受験に失敗する可能性が高い」と引き留めている面もあるのかと思っていましたが「学校の先生でなければなんでもいい」というセリフからは何か他の意味が感じ取れます
ほんの短い時間しか五月と接していない無堂に、五月の「教職適正」なんてものが判断できたのでしょうか? 少なくとも風太郎や姉妹達からは教師には向いてないなんて思われていないようですが・・
③と絡めて解釈するのであれば、以前にも書きましたが、零奈さんも無堂が言うように「教職適正が無い」とは思えない実績を生徒たちに残しています・・
可能性として無堂は、自らも経験した「教職という職を嫌っている」のかもしれません、自らも今は似たような職ではありますが「塾講師」として生計を立てていますし 、現役時代、教職を生業にしている時に何かがあったのでしょうか?
そして第二の可能性は「自分に近しい者に教職者になってほしくない」のかもしれません、私はこちらが本命だと思っています、過去は知りませんが今の無堂の言動の節々からは「教職適正」は微塵も感じれません 「教師になる為の学力」はあったのでしょうが、「教職適正」も備わっていたかはイコールではありません
現に「元生徒」であった祐也やまるお、下田からも好かれていたような感じはありません・・ しかしその三人の元生徒「上杉・中野・下田(何気に上中下ですね)」からの零奈さんの「先生」としての評価は頗る高いものを感じます
・・・つまり現役時代の無堂は生徒時代の零奈さんはともかく「同僚(先生)になった零奈」から自分より「教職適正が高く」「生徒たちから人気があり」「自分の元生徒であったのに自分より教師としては上なのでは」と、思わされてしまったのではないでしょうか? 早い話が「嫉妬」ですね、元担任として、男として、旦那としてのプライドを傷つけられてしまった・・それ故に自分に従順な妻に対して「お前は教師には向いていない」「教師になったのは失敗だ」と呪いの言葉を投げかけ続けていたのかもしれません・・
零奈さんは「元担任であり自身の旦那」である無堂からそう言われ続ければ、そう自分も思い込んでしまったのかもしれません、零奈さんの自己評価が極端に低いのはおそらくそのせいでしょう
その劣等感と「五つ子」という重荷から逃げ出した無堂、娘の五月が自分にとって忌むべき職となった「教職」を目指すと知った時に、過去の劣等感と少しの罪悪感・・というより「後ろめたさ」から五月の前に現れ、彼女の適正も図らずに頭ごなしに「教師への道」を閉ざそうとしたのでしょう
そしてもっともらしく五月を言いくるめようとしている無堂の元に現れたのは無堂の過去を知る祐也と下田
そして・・・
ここからは完全に無堂が馬脚を露しはじめます・・・
そして過去にも書きましたが無堂の言い訳できない急所、無動は知らない「自分が逃げた後の零奈さんのことを」
まるおが激情を表すのも仕方がありません・・・ そして五月への理解も示すことで姉妹達からの信頼も増すまるお・・
しかしこのまるおの言動はその場を取り繕う為、敵対する無堂への逆張りではなく、まるおの本心からの言葉でしょう、だからこそまるおは愛する零奈の思いも代弁しているのでしょう
そして五月にも見透かされてしまいます、今回の行動が無堂自身の為の行動であったと
・・・これで無堂はもう現れないのでしょうか? 少なくとも他者からの言葉での保管はあるかもしれませんが・・・彼自身からの言い訳などは無さそうな感じがします
そして・・・
はい。。。ここで五月自身が説明したこと、内容、まとめ方からすると・・・
『 私がこのブログを書き始めるにあたって、考察の主軸にしていた 六人目の姉妹 五月のもう一つの人格説 』
が、ほぼ消えました・・ トホホ
まだ0%ではありませんが、今更そんな設定をつける理由がほぼ無くなってますし・・
そして五月がある意味「母親からの呪縛」から解かれたことによって「彼女の縛り」が解かれました、その一つが「敬語」です
この回の終わり方では今後、五月が「敬語」を完全に辞めるのかは微妙ですが・・・
風太郎が「普段通りにしてくれ」と言ったこと「敬語」がもう五月のキャラクター、アイデンティティー として定着してしまっていることもありますので・・
そして・・・「敬語」が無くなるともう一つの問題「大人零奈=五月」も進行していきそうです、そしてその問題が進行していけば自ずと「六年前の少女=四葉」「写真の少女=四葉」も関わってくるでしょう・・・ そして
「 何故五月だけキスが無かったのか 」
「 風太郎の出す答え 」
等々・・・・ 「 物語の終わり 」 を感じるが故に、残された「謎」がどの様に明かされていくのか非常に楽しみです!
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